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SOMECITY 2013-2014 TOKYO 2nd 第2戦 コラム「HANGOVER」

最高のスタートを切った開幕戦から14日。
10年に一度と目された台風26号の影響で開催が心配された第2戦は、昼過ぎには台風一過となり問題なく開催されたものの、安酒を一気飲みした翌日に訪れる二日酔いのような、ひどく後味の悪い一日だった。順を追って綴ることにする。


オーバータイムに突入することのなかった両者が積み上げた数字は、47 – 51。
平塚Connectionsと勉族によるGAME1は、スコアほど盛り上がらない試合だった。
まるで軽めのジェットコースターに乗っているように、あっという間に時間が過ぎていく。

この日のTEAM GREENは、開幕戦で大暴れした「2代目ジョーカー」#6 TATSUHITOに代わって、「ナスティーシューター」#2 SHIGEOと「ドライブイン馬鹿」#9 CHIHIROが絶好調。
機動力を活かしてアウトサイドから仕掛ける攻撃が面白いように決まり、得意の打ち合いを意気揚々と制した平塚Connectionsが、2試合連続の50点ゲームで開幕2連勝を挙げた。

前節でデビューを飾った「巨大ルーキー」#57 マー坊が欠席したものの、「開幕戦MIP」#6 仮エース、コート上で唯一人高さの次元が違う「大魔神」#96 ダークロの主力がともに無遅刻、無欠席。充実した戦力でオープニングアクトに臨んだ勉族は、まさかの「ガチ勉」だった。
「ストリートボール界の宴会部長」#1 ぬまが後半開始に繰り広げたフリースタイルで16秒ショットクロックを取られたことを除けば、特に特別おふざけもなし。
インサイドを制して序盤こそリードを保っていたが、気付けば相手のペースに引きずり込まれ、気付けば本来の姿を見失っていた柏のエンターテイナー。
ディフェンディングチャンピオンを葬り去るには、少々シリアス過ぎたのかもしれない。


続くGAME2では、今シーズン初めてのアップセットが成立。
昇格2シーズン目のSIMONが、ストリートというプレイグラウンドである一定の地位を築き上げているUNDERDOGから初勝利を挙げた要因は3つある。
一つ目は、球際に強かったこと。何も失うモノの無い彼等は、決して諦めることなくルーズボールに飛び込みボールを奪取すると、決して飽きることなくオフェンスを再開した。
二つ目は、スコアラーがキッチリと自分の仕事を果たしたこと。「SHINOBIボーラー」#27 シバタのドライブと「シリアスシューター」#14 OIKAWAのアウトサイドシュートが最後まで止まることはなかった。
そして、最後の三つ目は、UNDERDOGが駄目過ぎたこと。MC MAMUSHIも「カッコつけすぎだよ」とボヤかずにはいられない勇敢で愚直なアタックは、ゴール下で待ち構えるハードコアな相手ディフェンスに全て跳ね返されてしまった。

歯車が噛み合わないまま、時計の針だけが進んでいき、SIMONが今シーズン初勝利と対UNDERDOG戦初勝利を、39-28の大差で手にした。


GAME3を一言で言い表すならば、F’SQUADのSHOW CASEだった。
タフでストイックなストリートボール求道者たちは、「Mr.CROSSOVER」#7 K-TAと「リズムを刻むファンタジスタ」#18 MATSUを中心に目で追うのが精一杯な素晴らしい連携を披露し、クリエイティヴなパスからイージーなフィニッシュを連発。
大好物の1on1では、ルーキーながら健闘した#8 ASAHIの下半身を必殺のシェイクでグラつかせてストリートの洗礼を浴びせるなど、薄暗い場内をオレンジ色に染めあげる。

一方、コンビネーション、連携、シュート精度、この試合におけるほとんど全てにおいて彼等を下回った420。ウォーミングアップで一人アリウープを決めてみせたキレッキレの「革命予備軍」#23 SHUJIが一人アシストにシュートにハッスルしたが、観衆の予想を覆すことはおろか、流れを掴むことすら叶わなかった。全6チーム中唯一白星のないDEAD SERIOUS CREWが、20 – 33で完敗を喫した。


事件は、MAIN GAMEの後半に起きた。
リバウンドをガッチリと奪った「2代目ジョーカー」#5 TATSUHITOに、後から跳んだ「野生の点取り屋」#2 NEKIが交錯。ラリアットのようにもつれ合った危険なプレーに笛が鳴り、平塚Connectionsのオーナー兼ヘッドコーチ・AT氏が激昂する。それに合わせるカウンターパンチのように、戦況を見守っていた#1 WINが相手ベンチに身を乗り出し、両チーム入り乱れて一触即発の乱闘騒ぎが勃発。
勿論、引き金になったプレーが故意に行われたモノではなかった。GAME2を落としたUNDERDOGは、プライドをかなぐり捨て、最大の武器であるサイズを活かしてインサイドアタックで得点を重ね、決してスマートではなかったが我武者羅にルーズボールへ飛び込んだ。当然のことながらボディコンタクトは増え、それに比例するように審判のファールコールも増える。ゲームは、少しずつ荒れ模様に変わる。
今回の一件の発端は、恐らくその延長線上に発生した止むを得ないプレーだったのだろう。
しかし、僕はこの事件の発生直後、何となく試合の勝敗がどうでもよくなってしまった。正確には、それどころじゃなくなってしまった。ストリートだからって何でも許されるわけじゃない。ストリートでも、ルールは存在するのだ。

そんな台風の海と化したイエローコート上を、熟練サーファーのように乗りこなしたのが、「ドライブイン馬鹿」#9 CHIHIRO。もし彼が居なかったら、この第2戦が本当の意味で興業として成立していたか分からない。後半だけで4本の3ptシュートを沈め、一度は溺れかけた試合を救い、48-43でチームを逆転勝利へ導き、文句なしのMIPを獲得した。


「欲望が人間を成長させる」と、ある哲学者は言った。もしかすると、今SOMECITYは、何処か酒気を帯びた、二日酔いに近い状態なのかもしれない。無意識のうちに、ある程度気持ち良くなって満足していた部分があるのかもしれない。

向上心の高いボーラーが「もっとバスケが上手くなりたい」と願うように、僕だってもっと面白い文章が書きたいと思っているし、運営するスタッフだってもっとSOMECITYを面白くしたいと思っている。
同様に、もし貴方が、「もっとヤバいプレーを見たい」、「もっと面白いSOMECITYを見たい」と望むなら、どうか現状に満足しないでほしい。どうか自分の感じたままに、もっと気持ち良くなってほしい。
良いプレーには歓声を、悪いプレーにはブーイングを。贔屓のチームには歓声が、相手チームにはブーイングが、それぞれもっとあってもいいはずだ。特に、今日みたいな試合が行われた日には、尚更だろう。
忘れないでほしい。今これを読んでいる画面の前の貴方も、SOMECITYという空間を作るための、SOMECITYをより素晴らしい空間にするために必要不可欠な1ピースなのだ。
貴方の声が、ボーラーのパフォーマンスを上げ、ひいてはSOMECITY全体のクオリティを上げているのだ。
ご存じの通り、僕の人生を45度狂わせた最高のエンターテイメントは、まだまだこんなモンじゃない。次節・第3戦は、アルコールは摂取しつつも素面の状態で、お互いもっと欲深く、もっと気持ち良くなりましょう。

文:石井ジョゼ