WHT'S NEXT?

OFFICIAL BALL

HOME LIBRARY COLUMN SOMECITY 2013-2014 TOKYO 2nd 第6戦 コラム「NO FOUL,NO WIN」

SOMECITY 2013-2014 TOKYO 2nd 第6戦 コラム「NO FOUL,NO WIN」

突然だが、今季から採用されている「チームファール」というルールを御存じだろうか。

■チームファール
1ハーフにつきチームファウル5個目から、ファウルを受けた選手にフリースロー2本が与えられる。
(SOMECITY OFFICIAL WEBSITEより抜粋)
                                       
このルールは、言うまでもなくSOMECITYをより面白くするために採用された新ルールだが、コアなSOMECITYフリークやバスケットボール経験者であればまだしも、僕のようなバスケ未経験の素人には今一つピンと来ない、馴染みのないものだ。しかし、開幕戦から蒔いてきた新しい種が、ここに来てようやく実を結んだように感じる。この新要素が無ければ、この日ここまでの興奮はあり得なかった。「バスケットボールは、競るように出来ている」という語るbangleeの言葉が示す通り、今回は最後まで結末の分からない、ファールにまつわる4本の小さな物語をお届けする。


小さな挑戦者たちを、決して大きくはない王者が横綱相撲でねじ伏せたGAME1。ビッグマン不在でティップオフを迎えた勉族は、スターターに送り込まれた小粒な3人が、山椒のようにピリリと辛いスパイスの効いたプレーで大奮闘を見せる。大方の予想を裏切る大接戦を演じたのは、3ptシュートを3本連続で沈めた177cmの#34 ちゃん岡、アドバンテージルールで磨いた得意の1on1スキルを如何なく発揮した172cmの#58 魚住、そして、抜群の集中力で16分間シュートを決め続けて24もの数字を積み上げた172cmの#33 てるの、U-175トリオ。リーグ最強の攻撃力を誇る平塚Connectionsに対して一歩も引かない互角の打ち合いを展開すると、前半を29-28の1点リードで折り返し、後半序盤に到着した#6 仮エース、#96 ダークロの2枚看板へとタスキを繋いだ。
チームトップの23得点を記録した#5 TATSUHITOが「内容的には良くありません」と呟いていた通り、危ない場面は幾つもあった。それでも彼等には、大事な局面で切れ味を増す最強の武器がある。必殺のドライブがイエローコートを一刀両断する度、コートサイドに陣取った平塚サポーターの悲鳴とも歓声ともつかない嬌声が響き渡る。#9 CHIHIROの視界を遮る者は、とうとう最初から最後まで現れることはなかった。彼にとって相手のサイズはさほど関係ないのだろう。一つのミスが命取りになるような52-56の接戦を、平塚Connectionsが自慢の攻撃力でモノにした。
ベンチの「ファール」コールを無視したのか、それともコートまで届いていなかったのかどうかは分からない。「正々堂々」という表現も正しいかどうかは分からないが、残り時間30秒を切ってもファールゲームを選択することなく、ゲーム終盤まで「まさか?」と思わせた勉族にも拍手を送りたい。


途中までのGAME2は、実に良く出来たシナリオだった。
ファールゲームを成功させたのは、#33 M21、#17 TATSUROUを「FIBA3X3ALLSTARS DOHA 2013」で欠くUNDERDOG。全盛期の爆発力は失っても、やはり彼は「何か」持っているのだろう。後半開始直後に鮮やかなクロスオーバーで相手を抜き去り奪ったAND1に続いて、ファールゲームで得た3点ビハインドの残り1.2秒で、起死回生のブザービーター・ダウンタウンを沈めたのは#78 NOBUCHIKA。改めて今さら書く必要はないかもしれないが、彼のパフォーマンスには華があり、会場の温度を上昇させる「何か」を秘めている。これで延長戦に勝利すれば、間違いなくMIPに選出されていたことだろう。
ところが、場内のボルテージが最高潮のまま迎えた1分間のオーバータイムは、元チームメイトである#7 K-TAの独壇場だった。
珍しくフリースローを落とし、試合を長引かせるキッカケを作ってしまったMr.CROSSOVERは、「自分で蒔いた種は自分で刈り取ろうと思った」という言葉の示す通り、シグネチャームーヴ・死神の鎌を左右に揺らして3連続得点。
後がないUNDEROGに再びファールゲームに持ち込まれる場面も見られたが、過ちを繰り返すことなくフリースローをキッチリ2本とも沈めて、今度こそ試合を終わらせた。


ここで閑話休題・SCDLに触れておく。
本編の前に行われたSCDL GAME1は、いよいよアジャストしてきた感のある#6 MIYAが爆発したBRMが、日替わりロスターなSUNDAY CREWを破って2位をキープ。
SCDL GAME2は、昨シーズンの王者TEAM-Sが東京オーシャンズに勝利して、2季連続の下部リーグ優勝ならびに入替戦SOMECITY CRASHに王手をかけた。


「こんな日が来るんですねー!!」
GAME2に続いてファールゲームを仕掛けたボロボロのUNDERDOGに向けて、MC MAMUSHIが言い放ったこの台詞が、GAME3の凡そ全てを物語っていた。
つまり、終始ゲームは勝利したSIMONペースで進んだ。
前半は3本の3ptシュートを決めた#14 オイカワが、後半はチーム初のMIPに選出された#27 シバタがシュートをスコスコと決めて文句なしの完勝に成功。
屈辱の2連戦2連敗を喫したUNDERDOGは、ファーストプションの#15 NEKIが大ブレーキ。#47 TA-BOが5本の3ptシュートを成功させて一矢報いたが、反撃もそこまで。最高にイカした「UNCAGED」シリーズのNEW LINEに袖を通した記念すべき一日を、笑顔で終えることはなかった。


一度はドン底まで突き落とされた勉族を救ったのは、エースの右手とファールだった。ここまで苦しい戦いの続く420が、MAIN GAMEで初勝利を掴みかけた瞬間を確かに僕は見た。ゲーム終盤、#2 kyoshiのパスに反応したのは、#23 SHUJI。相手ディフェンスの僅かな隙を突いて沈めたゴール下がAND1を呼び込む。苦しかった今季の闘いで溜まったフラストレーションを爆発させるように、半ば勝利を確信したかのように雄叫びを挙げる彼の姿に、あの日あの場所に居た誰しもが込み上げてくるものがあったはずだ。しかし、物語はここで終わらなかった。
残り時間は6秒、スコアは33-36。GAME1とは打って変わってファールゲームに持ち込む勉族は、#33 てるを4FOULで失い、#6 仮エースにボールを託す。これまで幾多の修羅場をくぐり抜けた「かつての最強スコアラー」が即座に放った3ptシュートは、宙高く舞い上がって美しい放物線を描いた後、それがさも当然であるかのように、バックボードに当たってリングを通過した。直後に発生したBGMをかき消すほどの大音量とは対照的に、ガッツポーズはおろか顔色一つ変えずにディフェンスをこなすと、程なくして決着は延長戦へ持ち越されることに。勉族は優秀なシナリオライターである仮エースがジャンパーを沈め、絶対的ストロングポイント#96 ダークロが誰にも止められないポストアップから加点。
勢いの差ではなく、地力の差がオーバータイムの結末を分けたように思う。トータルスコアは、41-38。裏天王山を制した勉族が入替戦SOMECITY CRASH回避、そして2年ぶりのPLAYOFF進出へ一歩近づいた。


以上が、僕の目から見た第6戦の全てです。新ルール・チームファールに順応し始め、よりスリリングなゲームが予想される今季の残り2戦を、どうか心ゆくまで会場で楽しんで下さい。それでは次節、12/25(水)、僕達のホームコート・クラブチッタ川崎でお会いしましょう。退屈なウィークデイに風穴を開けるウェンズデー・ナイト・フィーバーを、とくとご堪能あれ!Thank you for your time!

文:石井ジョゼ