HOME LIBRARY COLUMN SOMECITY 2014-2015 TOKYO 2nd 前半戦コラム 「笛とルーキー」

SOMECITY 2014-2015 TOKYO 2nd 前半戦コラム 「笛とルーキー」

愛すべきストリートボールフリーク、及びSOMECITY中毒の皆様。ご無沙汰しております。
SOMECITYが誇る貧血気味ライター・石井ジョゼ(a.k.a.BLACKOUT)です。

さて、久しぶりに書かせて貰った今回のコラムでは、
本稿のタイトルである2点にフォーカスをして、
第3節を終えた今季のSOMECITY TOKYOを振り返っていきたいと思います。

それでは早速、1点目の「ルーキー」から。
今季のSOMECITY TOKYOは、とにかくルーキーボーラーの活きが良い。
折角の機会なので、各チーム注目のルーキー達を、成績順に紹介していこう。


「KIDROC」と書いて、「キッドロック」と読む。ここ暫くSOMECITYに追えていない方にとっては聞き覚えがない響きかもしれない。それもそのはず、彼等は結成から僅か半年、今季からレギュラーチームに名を連ねたルーキー達による新チームなのだから。しかしながら、間違いなく今季ここまでのSOMECITY TOKYOは、彼等KIDROCを中心に回っている。
開幕戦で2014-2015 1stシーズンCHAMPION TEAM・SIMONを退けると、第2戦ではF'SQUADを、第3戦ではSunday Crewを次々に破って無傷の開幕3連勝に成功。昇格1シーズン目ながら、堂々の首位タイに踊り出た。彼等の快進撃は、アップセットでもフロックでもない。単純に強いのだと思う。チームカラーのディフェンスで流れを掴み、破壊力満点のドライブを武器にハーフコートを暴れまわるポイントゲッター・#09 KOJIがチームに勢いを与え、関東一部の名門大学で主将を務めた#34 Yoheyのクレバーでシュアなプレーがチームに落ち着きを与える。この超強力なニューカマー二人に、リバウンドとルーズボールで仕事が出来る元SIMON・#05 NARSUSEを加えたトライアングルが、キチンと噛み合った時の爆発力は計り知れない。開幕前のインタビューでハナメガネタカノリ氏が語っていた「目標?そんなの全勝優勝っしょ!」という台詞が、いよいよ現実味を帯びてきた。



ここ最近低迷が続く勉族も、KIDROCと同じく開幕3連勝を飾った。ホーム・プレイグラウンドである千葉県柏市からクラブチッタのある神奈川県川崎市まで、平日ド真ん中の水曜日に大移動を行う彼等の最大の弱点は、言わずもがな不安定なロスターである。中でも、未だ根強い人気と得点能力をキープする#6 仮エースの出欠が、これまでの勝敗を大きく左右していた。そのエース(仮)不在の開幕戦を勝利に導いたのが、30歳のオールドルーキー・#24 カジだった。巧みなステップと巧妙なシュートフェイク、そして勝負強いシュートを武器にデビュー戦でいきなりの18ptを記録。初めてのイエローコートに物怖じすることなく自慢のスキルを如何なく発揮し、#27 テツ曰く「仮エースが嫉妬するほどの活躍」を見せた。続く第二戦では、大先輩・仮エースとの新旧両エースの共演で、相性の悪い天敵・UNDERDOGを撃破。これで完全に調子に乗った彼等は、第3戦の相手・SIMONまでを、カジも仮エースも欠く僅か5人でオーバータイムの末倒してしまった。
ウイニングショットの逆転ブザービーターを決めた#1 ぬまは、この3連勝を振りかえって「まぐれです。奇跡と書いて、まぐれと読む。ズン。」と謙遜していたが、この場所がまぐれも奇跡も通用しない舞台であることは皆さんも御存じの通り。彼らの勢いは何処まで続くのか。これから始まる上位チームとのPLAYOFF進出争いに一体何処まで食い込んでいけるのか。勉族ファンにとっては、久しぶりに楽しみなシーズンのはず。是非とも会場で、シーン唯一無二の笑バスケをリアルタイムで楽しんで頂きたい。


通算成績2勝1敗。久しぶりのイエローコートで開幕2連勝に成功したTOKYO BEASTは、知る人ぞ知る埼玉クラブチーム界No.1スコアラー・#23 KIKUがチームを牽引する。2年前のレギュラーチーム降格後に行われたトライアウトに合格し、「女の子にキャーキャー言われたいから」という健康的な理由でストリートボーラーとしてのキャリアを歩み出したという。彼の綺麗なシュートフォームと軽薄そうに見えるキャラクターは、まるで勉族のYOSK(現:横浜ビー・コルセアーズ)のよう。第3戦こそF’SQUADに力負けしたものの、精度の高いシュートでエース・#13 SOGENとの二枚看板が確立出来れば、レギュラーチーム残留はおろか、上位進出も夢ではない。



TANA・UG・KAZUYA・LAWRENCEの名前がロスターから消え、大幅な戦力ダウンが予想されたF’SQUADだったが、蓋を開けてみれば2勝1敗・3位タイ。特筆すべきは、今季唯一のルーキー・#91 KYONOSUKE。強豪高校での3年間をウラベイベーと共に過ごした「外もある」ファンタジスタは、学生時代に培ったファンダメンタルもさることながら、全力で遊び倒すプレースタイルが単純に楽しい。1mmも躊躇することなく自分のやりたいことを全力で表現する姿は新人離れしている。開幕戦で魅せたビハインドバックも記憶に新しい。現在のSOMECITY TOKYOで、最も遊べるボーラーの一人だろう。どうか彼の名前をお忘れなく。


現在1勝2敗と負けが先行する5位タイ・平塚Connectionsは、191cmのルーキー・#7 SUKEが加入した。第二戦では流れを変えるAND1で今シーズン初勝利に貢献。第3戦では惜しくも敗れてまったものの、巨体を活かしてオフェンスリバウンドをもぎ取りまくり、MC MAMUSHIから「ハードワーカー!」と賛辞を受けた。昨季ゴール下で旋風を巻き起こした#8 UMEと共にペイントエリアを担う貴重なビッグマンとして、今後の活躍が期待される。



3戦目にしてようやく初白星を手にしたUNDERDOGも、現在1勝2敗・5位タイ。開幕2連敗と出鼻こそ挫かれたが、回を増すごとにアジャストし始めた今シーズンNo.1ルーキー・#30 DAISUKEを中心に、少しずつチームが良い方向へ回り始めている。MC MAMUSHIが彼を紹介する際に用いた「アマチュア最強の男」のキャッチフレーズは伊達じゃない。先ず、189㎝/88kgの体躯にキチンとボールが収まる。攻撃の起点になるだけではない。1on1もイケる。バリエーション豊かで決定力のあるシュートは、正しく変幻自在。#91 WORMの抜けた穴を埋めた新オールラウンダーが誕生したNEW DOGSは、彼の進化と共にここから順位を上げていくはず。


まだ勝ち星のないSundayCrewは、元F’SQUADの#52 KC、ウォーミングアップで軽々とダンクを決めるビッグマン・#34 SIXのルーキー2名を補強。司令塔・#10 ANDYの仕上がりも良く、2シーズン目の飛躍に期待が懸かったのが、ここまで思うような成績は残せていないのが現状だ。連携と組織力で戦う完成形が浮かびあがってはいるのだが、果たしてそれが吉と出るか凶と出るか。



そして、まさかの開幕3連敗で最下位タイに沈んでいるのが、2014-2015 1st CHAMPIONのSIMON。昨季からの戦力にこれといった変化は見られないのだが、NBLシーズン入りしたプロフェッショナル・ボーラー#6 ASANOの強行出場も空しく、何故か歯車が噛み合わない。実力者揃いの彼等がこのまま終わるとは到底思えないのだが、このままでは替戦行きも危うい。調子の上がらないチームを救う、まだ見ぬルーキーは現れるのか?


そんな瑞々しいルーキー達の活躍に水を差しているのが、2点目の「笛」だ。
SNS上でも頻繁に見かけるように、僕自身も余計なファールコールが最高のエンターテイメントを単なるグッドゲームに姿を変えてしまった瞬間を何度か目撃している。正直言って、僕の目ではボーラーとレフェリーのどちらが悪いのかはよく分からない。「それは必要ないだろ」と感じる七三分けのようにピッチリとしたコールもあれば、「おいおい、それはやりすぎだろ」と感じる悪質なファールもある。時には、悪質なファールがコールされないこともある。その判定に納得のいかないボーラーのプレーが雑になり、結果更にファールを重ねてしまう…という対戦相手以外誰も得をしない場面が増えたのは、決して良いことではない。でも、負けた理由を、何もかもを審判のせいにするのは少し違うと思う。
確かに、この場所は何をしたって許される自由な空間だ。ファールも4つまでなら許されている。でも、自分もやられたから相手にファールでやり返すなんて、そんなのボギャブラリーが乏しすぎやしないかい。アイツは君のことをファールでしか止められないんだぜ。アイツは君にビビッてるんだ。そんな格下連中相手に、格下と同じプレーでやり返しても君の株が落ちるだけだ。そろそろ僕達も、ボーラーもオーディエンスもスタッフも次のレベルを目指す時が来たんじゃないだろうか。



レフェリーには、雰囲気に流されない毅然としたジャッジを。
ダサいプレーには、オーディエンスからブーイングを。
ボーラーは、とびきりクールなプレーでアンサーを。
ファールコールなんかに左右されない、良質なエンターテイメントを僕達はもっと追求できるはず。


以上、相も変わらず好きなように書かせて頂きました。
一部では、「最近SOMECITYがつまらなくなった」という意見もあるみたいですが、
別に僕は、単純に刺激に慣れてしまっただけなんじゃない、と思う。
結局のところこのコミュニティは、まだまだ発展途上なだけだと。
もっと面白くなる可能性を秘めているのだと思う。
DJもMCも観客もボーラーも全てが一つになったあの空間の熱量を、
もう1ランク上に上げることが出来れば、当分は退屈しないだろう。
その退屈を打破する鍵は、もしかしたら、この長ったらしい文章を最後まで読んでくれた貴方が握っている…のかもしれない。

文:石井ジョゼ