HOME LIBRARY COLUMN SOMECITY 2014-2015 TOKYO 1st 第4戦 コラム 「クロスゲーム」

SOMECITY 2014-2015 TOKYO 1st 第4戦 コラム 「クロスゲーム」

前回のコラムにも書いたが、ここまでの3戦を振り返って、今季のSOMECITY TOKYOは未だ本来の盛り上がりを見せていない。足繁く会場に通って頂いているストリートボールフリークな貴方なら、ゲーム中のビッグプレーにアガる瞬間こそあれど、GAME1からMAIN GAMEまでの全4GAMEをSOMECITYという「一イベント」として捉えた場合に、きっと心の底から満足はしていないはずだ。
これには幾つか理由はあるのだろうが、今シーズンの前半戦がパッとしない原因の一つに、「比較的実力差のあるチーム同士による対戦カードが挙げられる」と、あるパイオニアは語った。
チーム数を6チームから8チームに増やしたことにより、昨季よりも上位チームと下位チームの戦力差が開いたため、試合途中で結末が読めてしまう退屈なシナリオが増えてしまったのだ。
確かにそれは否めないだろう。しかし、ようやく第4戦目にして、最後の1秒まで結末の読めない、手に汗握る待望のクロスゲームが発生したのだ。開幕3連勝中のF’SQUADとダークホース・SundayCrewによるGAME3が、ようやく僕達を満たしてくれた。
先ずは、この日行われた第4戦の様子を、順を追ってレポートすることにしよう。


オープニングアクト・GAME1を制したのは、MC マッチョの「大好物」#2 SHIGEOがON FIRE!した平塚Conenctions。不完全燃焼に終わった前節の鬱憤を晴らすべく、代名詞のアウトサイドシュートと鋭いドライブで次々と3点プレーを成立させてセーフティーリードを奪い、後半途中でお役御免。今季絶好調のクラッチシューターに、かつての爆発力が戻って来た。
そのSHIGEOと代わって入った#12 KENはトリッキーなプレーでアシストを、復調の兆しが見える#9 CHIHIROと代わって入った#8 UMEは反則じみた高さで得点をそれぞれ記録し、キッチリと自分達の色をイエローコートで表現していた。ここまでの戦いを見る限り、ベテランと若手の融合に成功したディフェンディングチャンピオンは、唯一の弱点である層の薄さを克服しつつあると言っても過言ではない。

その平塚の若手コンビ以上に気になるのが、敗れたTEAM-Sの放つ不気味な存在感だ。前節からロスターに名を連ねた女子ボーラー・#40 CANの起用だけじゃない。#7 JUNと#8 HUMMERのトリッキーで小気味よいパスを中心に展開する予測不能なオフェンスは、SOMECITY OSAKAで活躍する大阪籠球会のそれに似ていて、現時点で完成形には程遠いのが残念だが、間違いなく何か面白いことが起きそうな予感を孕んでいる。小刻みなメンバーチェンジで次から次へと登場するオールドルーキー達も徐々にキャラクターが立ってきた。残り3戦で何処までカタチに出来るか注目したい。


ここまでの3戦で自慢の戦力を見せつけたSIMONが、負け癖のつき始めた勉族を28-40で順当に下したGAME2。コート上の誰よりも汗がかける192cmの#6 ASANOと、「人間てこんなに大きくなれるんですね…」とMC MOJAも舌を巻く#8 MICHAELのNBLコンビはSOMECITY TOKYOでも頭一つ抜きんでていて、ハッキリ言って死角なし。この二人のプロフェッショナル・ボーラーズに#27 SHIBATA・#14 OIKAWAの2大スコアラーが加わった彼等を、優勝候補筆頭に推す関係者も少なくない。

一方、TEAM-Sと並んで、これで開幕から4戦全敗の「惜しい所まではいく」勉族。
それが体力不足なのか集中力不足なのかスキル不足なのか何なのかは分からないが、今シーズンの彼等は、中盤までは互角の試合運びを見せるものの、ゲーム終盤で連続得点を許して負けるパターンが多く見られる。長らくチームを支えてきた#1 ぬまと#6 仮エース、#96 ダークロのトライアングルが何とか試合を作るものの、#14 バンカーと#88 イケのルーキーコンビも周囲が期待する以上のパフォーマンスは残せておらず、活躍以上ブレイク未満のもどかしい戦いが続く。どうせ敗れてしまうのなら、開幕戦・第2戦で見せたような会場中が笑顔になるような、そんなGAMEがもう一度観たい。


皆さま周知の通り、彼がMIPを受賞するのは決して珍しいことじゃない。でも、ブザービーターを決めてMIPを受賞したのは、僕の記憶する限り初めてだったのではないだろうか。今シーズン初のオーバータイムに突入したGAME3は、間違いなく現時点における今シーズンのBEST GAME。待望のクロスゲームに終止符を打ったのは、3×3日本代表に選出されたF’SQUADの頼れるキャプテン・#7 K-TAのジャンパーだった。

しかし、「最後の最後までシュートが入らなかった。相手どうこうではなく、自分がオープンショットを落とし過ぎた。」と試合後のインタビューで猛省する通り、彼がヒーローになるまでのシナリオは決して楽なモノではなかった。
このゲームは終始、SundayCrewのペースで進んだ。延長戦で発生したトラブルが無ければ、ひょっとして結果は別のモノになっていたかもしれない。「Fに苦手意識はない」と#10 Andyが語る多国籍軍団は、186cmの#54 SAMと194cmの#55 LEEを武器にして、開幕3連勝中の単独首位を相手にリードを奪い続けた。
それでも、今季のF’SQUADは、若手の活躍が目覚ましい。後半途中に投入された#23 LAWRENCEが、会場の空気を変える。ボールを持っただけで歓声が上がる人気者は、独特のリズムから仕掛ける1on1で相手ディフェンスを切り裂き、立てつづけにシュートをメイク。クライマックス直前の接触プレーで負傷退場を余儀なくされてしまったが、陰のMIPと呼ぶに相応しい活躍を見せてくれた。そんなチーム最年少のプレーを目の当たりにして、キャプテンが燃えないわけがない。ここまでリングに嫌われ続けた3ptシュートを意地で2本決めて延長戦に導くと、最後は劇的なブザービーターを沈めて、見事第4戦のMIPに輝いた。「今日の勝因は、LAWRENCEと#5 KAZUYAが苦しい時間帯に繋いでくれたから。負けたら自分のせいだと思っていた。」そう語る彼の覚悟が、紙一重の勝負を分けたのだと思う。難敵・SundayCrewを激闘の末31-32で下したF’SQUADが、無傷の開幕4連勝に成功している。


MAIN GAMEの前に設けられたSPECIAL EXHIBITION GAMEでは、大西ライオンらバスケ好き芸人と3×3 日本選手権プレ大会を制したRONMENSとの混合チーム・「TEAM MIX」と、新旧WJBLボーラーで結成された「TEAM RYO」の一戦が行われた。
その「TEAM RYO」の一員として、昨シーズンは中国女子バスケットボールリーグWCBAでプレーした大神雄子の登場に、今季一番の盛り上がりを見せた、クラブチッタ川崎。「スキルこそ全て」のイエローコートで男子顔負けのハンドリングからブザービーターで試合を締めくくった現役女子日本代表ボーラーのプレーは、2階席で観戦する僕を含む会場中に性別を超えた衝撃を与えてくれた。この歴史的マッチメイクを実現させた運営スタッフ及び事務局に、心より感謝します。

◆大神雄子
初めて参加させていただき、何よりも私自身が一番楽しませていただきました。みなさんに盛り上げていただき、パワーをもらう…すごく大切なことだと思いますし、人として一番のパワーの源を感じれる場所だと感じました。こういう雰囲気でやれる選手の皆さんは日々のきつい練習も乗り越えられるだろーなーと感じ、私もその場所にいさせていただくことで、これからのモチベーションになりました。本当にありがとうございました!こういう機会を与えてくださった矢野選手、関係者の方々に感謝しています。日本代表は今年世界選手権が開催されます。一生懸命がんばりますので、また応援よろしくお願いします!本当にありがとうございました!


◆矢野優子
いつも観客席で見ていて、まさか自分が出るとは思っていませんでした笑
あの空間でのバスケを出来る事は凄く貴重な経験をさせて頂きました。
関係者の皆さん、いろいろとありがとうございました(^^)


◆矢野良子
やっとSOMECITY参加出来て、感無量です。競技バスケとは違って、いつ見ても楽しそうだなーと指をくわえて観ておりました。笑今回やっと参加出来、しかも豪華メンバーで尚且つ元チームメイトというメンバーで構成出来た事、そしてあの空間でバスケが出来た事。楽しかった!の一言に尽きます。またこのメンバーでやりたい!ってのが率直な気持ちです。本当に貴重な経験だったし、やはりバスケは楽しくやらないと!と初心に戻させてくれました。今回、この様な機会を与えて下さった方々に感謝します!どんな形であれ、バスケと言う競技が人気になる事を心から願ってます。


MAIN GAMEは、UNDERDOGが粘る420を振り切って30-36で勝利した。
怪我で欠場した#33 M21が「ひどい内容だった」と振り返りながらも、取りこぼしなく競り勝てた最大の要因は、NBLレバンガ北海道から一時帰省中の#2 KOJIではなかったか。
かつて黄金時代を築き上げた偉大な司令塔は、久々の登場にも関わらず抜群の存在感を放っていた。スティールにアシストにフォローにと、慣れ親しんだハーフコートを縦横無尽に駆け回り、オフェンスでもチームトップの13ptを記録。国内トップリーグで培った2年間は伊達じゃない。
ほぼ勝利を手中に収めた後半残り2分からは、K-TAと共に3×3日本代表に選出された#14 TAKAKU、#47 TA-BO、#91 WORMの3選手を同時にコートインさせる粋な計らいも見せたUNDERDOG。今シーズン、ここまで絶対的な主役が居ないのは事実だが、チーム内に主役級の選手がゴロゴロしているのも、また事実。悲願の覇権奪回に向けて、役者は揃ったと言えよう。

W長谷川不在のまま3連敗を喫した420は、昨シーズンから辛抱強く起用され続けた#8 ASAHIが躍動する。前節までの遠慮がちなプレーとは打って変わって、アグレッシブなアタックで司令塔・#2 kyoshiに続く9ptを記録し、フィニッシャー不在のチームに価値ある敗北をもたらした。昨シーズン大ブレイクしたエースが復帰予定の後半戦に向けて、ようやく少し視界が開けた格好だ。


以上が、この日行われたSOMECITY 2014-2015 TOKYO 1st 第4戦のダイジェストだった。
冒頭で記した通り、現在のSOMECITY TOKYOは、順位通りの「4強3弱」状態にある。

1位…F’SQUAD(4勝0敗)
2位…UNDERDOG(3勝1敗)
2位…平塚Connections(3勝1敗)
2位…SIMON(3勝1敗)
5位…SundayCrew(2勝2敗)
6位…420(1勝3敗)
7位…勉族(0勝4敗)
7位…TEAM-S(0勝4敗)

全6チームによる総当り2回戦リーグから、全8チームの総当り1回戦リーグへとリニューアルした今季のレギュレーションにより、残すは僅か3戦のみとなった。ここまでの4戦は、実力上位チームと下位チームによる比較的勝敗予想のし易い対戦カードが多かったが、ここから先の3戦は上位チーム同士と下位チーム同士による、PLAYOFFと入替戦or自動降格を賭けた勝敗予想のし辛い、クロスゲーム必死の好カードが目白押し。多発するワンサイドゲームに物足りなさを感じていた皆様、お待たせしました。ここから先が、いよいよ本編・本番です。1カ月のインターバルを経て、一気に加速するであろう今季のSOMECITY TOKYOを、どうぞお見逃しなく。


文:石井ジョゼ